「卓袱料理」は、長崎県の郷土料理。
大皿に盛られ円卓に並べられた和洋中の料理を皆で食べる宴会料理で、鎖国時代に、長崎に来航した唐人によって伝えられ、和風、中華風、スペイン、ポルトガル風のアレンジを加えて独特の料理として完成しました。
身分の上下なく平等に円卓を囲んで親交を深めるための料理です。
始まりのお鰭以外は食べる順番、食べ方の決まりはなく、円卓に並んだ料理を好きなように自分の箸で小皿に取り分けて食します。
一、御鰭(吸物)
「おひれ」といいます。長崎の卓袱料理はオカッツァマ(女将)の「お鰭をどうぞ」のあいさつで始まります。
「お客様一人に鯛1尾を使いました」というもてなしの意味が込められています。
椀の真ん中に小餅を入れ、鯛、えび、玉はんぺん、鶏、しいたけ、唐人菜、みつばなどを盛り合わせます。
一、小菜(刺身)
鯛、ひらす、ぶり、ひらめ、いか、つまは白髪だいこん、紅たで、穂じそなどの刺身をわさび醤油でいただきます。
一、小菜(湯引き)
はも、おうせ、いかなど湯引きにほうれん草、赤かぶ、みょうがなどを付け合せて、酢味噌、二杯酢を添えます。
一、小菜(口取り)
二色卵、魚の照り焼、えび黄身ずし、魚うに焼、ゴーレン、南蛮漬、寒天寄せ、野菜など
一、小菜盛(香の物)
漬け物数種類を盛り合わせます。
一、中鉢(豚角煮)
角煮と、つけ合わせに、ほうれん草、青とう、なすなどを添えます。
一、大鉢
あなごのしんじょ、長崎てんぷら、巻そぼろ、ヒレウス、卵どうふ、えび、白いも、さやいんげん、さやえんどう、かぼちゃ、にんじんなど。
一、煮物
揚玉、吉野とり、かつお菜、たけのこ、きくらげ、ふななどを入れたスープです。
一、御飯
一、水菓子(果物)
季節の果物です。
一、梅椀(しるこ)
しるこに紅白ざらしの団子、塩さくらを入れます。
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